ユングに関する雑学
実は、ちょっと謎多き人物だったユング。
後世に語り継がれる様々な噂があります。
そして、そんなユングの心理学や生きざまに惹かれて
ユングについての学問的な研究を生業とする人も…。
確かに、人の心に対するまなざしが優しく肯定的なユングの心理学は、
人の心を無条件に惹きつけるものがあります。
ここでは、そんなユングの心理学や
TOPユング本人についてのマメ知識をご紹介します。
ユングに関する雑学エントリー一覧
- 不思議な臨死体験
- 人は1人では生きられない…これは、いまさら筆者が言うまでもないことでしょう。しかし、生きていれば、1人になりたいと思うこともあります。辛い時、自分が成長しようとしている時、人と距離を取って1人で自分の内面と向き合うことが必要な時期が誰にでも必ずあるでしょう。ユングにとっては、ちょうど、お母様が亡くなった頃がそんな時期だったようですね。1923年にお母様が逝去された後、ユングはチューリッヒのボーリンゲンというところに土地を買い、そこに石の塔を建設し始めます。なんと、自らの手で石を積み上げて作ったの...
- ユング研究所の設立
- どんな道にも、いわゆる「師弟関係」というものが存在しますよね。ある理論や教えの価値が高ければ高いほど、「それを受け継ごう」「後世に残そう」という意識の高い弟子たちが集まってくるものです。ユングの教えも、然り。とはいえ、ユングは、技法や理論を体系的に学ぶだけで資格が与えられるような制度を好みませんでした。それは、彼の心理学の特性を考えれば良く分かりますよね。その人が、その人なりに肯定できる生き方を見つけるお手伝いをするわけですから、知識やテクニックがあるだけではダメ。まずは治療を行う人自身が自分自...
- 中年期の危機とは?
- 父親のように慕っていたフロイトと決別した頃のユングは、人生最大の危機を迎えていたと言っても過言ではないでしょう。単に“師”を失っただけではなく、精神分析界からも身を引いてしまったわけですから…。それまで信じて突き進んでいた道が突然分断されてしまったのですから、いくら心理学者といえども来し方行く末に悩んでしまうのは無理もありません。この当時の自分自身を指して、ユングは、「父親に反発して家出をしてみたものの、どうして良いのか分からずに途方にくれる父親コンプレックスを持った青年」…と表現しています。折...
- 深層心理学とは?
- 「心理学」と一言で言っても、実際は様々な領域があり、それぞれ「○○心理学」と名前がついています。例えば、「深層心理学」。…なにやら興味をかきたてられる分野ですよね?心の深い層を追求する学問…字面から捉えると、そうなりますよね。深層心理学とは、私たちの心の深い部分にある「無意識」という領域の働きに注目して人間の行動を解釈する心理学のこと。自分で意識してコントロールできる部分を超えている出来事や感情、例えば、「なぜかこんなことをしてしまった」「なぜか怒ってしまう」「なぜかイライラしてしまった」…こう...
- ナチスに協力したって本当?
- 「ナチス」とか「ナチズム」とか「ユダヤ」とか。意味は良く分からないけれど、とにかく、多くの人が迫害されて苦しみながら命を落としていったという事実があることは誰でもご存知でしょう。ナチス(Nazis)とは、1933年にヒトラーを党首としてドイツ政権を掌握したファシズム政党のこと。「国家社会主義ドイツ労働者党」とも言います。そして、ナチスの政治理念や支配体制のことを「ナチズム」と呼んでいるわけです。このナチスが一体、どのような政治だったかというと…。言わずもがな、反民主主義、反共産主義、反ユダヤ主義...
- ユングの「赤の書」とは?
- ユングは、 16年余りの長きにわたって日記をつけていたそうです。しかも、手書き!(まあ、今のようにパソコンが普及していなかった時代ですから、当たり前といえば当たり前なのですが…笑)それが、有名な『赤の書』です。この赤の書には、ユング心理学の中核を成す理論のすべて記されていました。どんなユング心理学解説本を読むよりも、ユングの心理療法のモデルに近づける一冊と言っても過言ではないかも!?マニアにとっては、もう、本当にお宝モノの本なのです!ユングは、第一次世界大戦前から繰り返し、恐ろしい幻覚を体験して...
- ユングの代表的な実験
- 医学部を卒業したユング青年は、チューリッヒ大学医学部の関連施設・ブルクヘルツリ精神病院に住み込みで勤務することになりました。この病院、当時は、なんとヨーロッパ屈指の先進病院!しかも、院長を務めていたのは「精神分裂病」の名付け親としても名高いオイゲン・ブロイラー先生。向学意欲の高いユングにとって、これ以上の環境はないというくらい恵まれていたようです。ここでユングは、患者や他の医師たちとのやりとりを通して精神病への洞察を深めていったのです。とりわけ、ユングが注目したのは、強迫観念や幻覚といった症状。...
- ユングの著書を読んでみよう
- C・G・ユング[著] ソヌ・シャムダサーニ[編] 河合俊雄 [監訳]田中康裕、猪股 剛、高月玲子 [訳]創元社その人がどういう人なのかを手っ取り早く知る方法。それは、日記を盗み見することではないでしょうか(笑)。ブログやツイッターだと、やはり多少は他人の目を意識しているところがあるでしょうし、100%本音で書かれているとは言えないかもしれませんから…。世界的権威のある心理学者の心の内を知るにも、やはり著書よりも私的な日記を見るのが得策。ユングは、16年余りの長きにわたって日記をつけていたそうです...
- ユングとラカン
- 精神分析について調べていると、ユングやフロイトと並んで必ずといって言いほど名前を目にする「ラカン」。ラカンが唱えた心理学の理論にはどのような特徴があるのでしょうか?筆者の個人的な印象としては、ラカンの心理学はかなり理屈っぽく(笑)、難解。しかし、じっくり考えてみると、「なるほどな〜」と納得させられる内容なんですよね。例えば、「主体というものは、自己自身について語りつつ、知らず知らずのうちに他者となり、“他者の欲望”をもって自己に近づく」…というような内容の説を解いています。確かに、人は、主体的で...
- ユングとプラトン
- ユングといえば、「元型」の理論が有名です。これは、ごく簡単に言うと、人類の心の中に存在する“イメージ”のこと。例えば、「母親元型」。“母親”のイメージというと、たいていどこの国でも、女性的な体の曲線を表現したものであったり、お腹が膨らんだ妊婦さんであったりしますよね。これは自分の祖先からというよりは、全人類に普遍的に存在するイメージなんです。このようなものを指して、ユングは「元型」=アーキタイプと名付けたんですよね。しかし、実はこのアーキタイプ、もともとはギリシャの哲学者プラトンが生み出した言葉...
- ユングとニーチェ
- ユングの理論は、多くの心理学者や哲学者、時には科学者の説と比較される対象になります。中でも、ニーチェは、ユング関連本の常連客。ユング(1875年7月26日 - 1961年6月6日)とニーチェ(1844年10月15日 - 1900年8月25日)、年代的には、ニーチェのほうが30年ほど先輩なわけですが、両者の思想には共通する部分が多いようです。その根本になっているのは、その成育歴にあるのかもしれません。両者とも、父親は牧師。幼い頃から、良くも悪くも “キリスト教”という宗教の影響を強く受けて育ってき...
- ユングとヘッセの関係
- フロイト、ラカン、プラトン、ザビーナ・シュピールライン…と、ユングについて調べていくと、様々な人物の名前が出てきます。しかも、歴史に名を残す著名人ばかり…!『デミアン』で知られるドイツの作家、ヘルマン・ヘッセもその一人。世界が第一次大戦下にあった1917年頃、40代に差しかかったヘッセは、父の死、末子の重患、妻の精神病悪化、そして第一次大戦の影響などもあり、深い精神的危機を経験しています。この時、治療のために精神分析を受けていたのがユング派のラングという分析家。この体験はヘッセに大きな影響を与え...
- Amazonで収集しよう!ユング関連の本
- ◆手にとるようにユング心理学がわかる本 かんき出版 長尾剛 Amazonのレビューでも評価が高いこの1冊。対人関係の悩みを、自分の“内側”から解決するための足掛かりを作るのに役立つ内容です。どうすれば心の病を克服できるのか。よく見る夢は何を教えてくれるのか。自分の性格はどんなタイプに当てはまるのか。どうしてあの人とうまく付き合えないのか…。日常生活の中で私たちを悩ませる様々な疑問に分かりやすく答えてくれます。コンプレックスや夢分析、誰もが持っている二面性など、素人にはちょっと理解しにくいマニアッ...
- ユング心理学を応用した占いの是非を問う
- ユングは、いわゆる“星占い”や錬金術といった分野にも強い興味を示していたことで知られています。そのため、占星術(星占い)の話題においてユング心理学が引き合いに出される機会も多いようです。例えば、「ユング式心理姓名判断」。これは、単なる“画数”による姓名判断ではなく、ユング心理学のタイプ論を用いて人の心の奥深くまでを見通す鑑定です。( 思考型、感情型、感覚型、直観型のそれぞれに外向的、内向的に分けた8つのタイプ診断)また、著名な占い師である鏡リュウジさんやマギー・ハイドさんの著書やコメントにも、ユ...
- キリスト教とユング
- ユングの成育歴について調べてみると、彼の人生は幼い頃からキリスト教の影響を強く受けていたことが伺えます。まず、ユングの父親は牧師でした。彼自身が語っているように、子どもの頃から「様々な宗教上の疑問に答えてくれた」ようです。しかし、ユングが抱いていたキリストへの恐れや疑問について、本当に満足のいく回答は得られなかったのだとか。例えば、ユングはキリスト教に対して、「神がいるのなら、なぜこの世にはこれほど恐ろしいことや悲惨なことが満ちているのか」…という不信感を抱いていたようですし、「葡萄酒をイエスの...
- ユング・タロットが発売!
- 説話社 マギー・ハイド、鏡リュウジ(著) 2,940円ユングと言えば、占いを始めとするいわゆる“スピリチュアル”な分野にも強い関心を持っていたことが知られていますよね。これを受けて、占いの世界でも「ユング」というワードの出現率は高いんです(笑)。大学で専門的にユング心理学を専攻している方からは「あんなのはユングの思想ではない!」「そんなものにユング先生の理論をごちゃまぜにするな!」…という厳しいお叱りの声が聞こえてきそうですが…。例えば、携帯サイトでは「ユング・タロット」という占いが大人気!これ...
- ユングと「タオ」
- 東洋思想との比較対象として、よく、ユング心理学が挙げられます。特に、東洋思想(中国哲学)の「タオ」の考え方とユングが提唱した「シンクロニシティー(共時性)」には重なる部分が多いのだとか。タオとは、正式には「道」=みちのこと。読んで字のごとく、「人や物が通るところ」。宇宙自然の普遍的法則や根元的実在、分かりやすく言うと、「真実の根元」「天地を含む全て」を表す言葉であり、本来は「名づけることのできないもの」、全てを超越したものなのだといいます。タオの考え方は、中国の哲学者、老子が説いたもの。老子が説...
- ユングと宮崎駿の世界観
- まさに、老若男女、幅広い世代に支持されている宮崎駿監督の映画。「子ども向けのアニメ」として楽しめる作品には違いはないものの、オトナが見ても考えさせられる秀逸な内容の作品ばかりですよね。だいたいは、主人公がなんらかの冒険を通じて成長していくスト―リーですが、そこには心理学的な要素がふんだんに散りばめられており、心理学関係者にとっては格好の研究対象(笑)!単なる「子ども向けのファンタジー映画」と分類してしまうのはもったいないくらい、深い洞察を加えることのできる映画なのです◎特に、『千と千尋の神隠し』...
- 村上春樹とユング理論
- 今や、新作が発表される度に、TVで・雑誌で・ネットで…とあらゆるメディアの話題をかっさらう村上春樹氏の作品。日本の小説家の中では「ノーベル賞に最も近い」と目されることもあり、老若男女問わずファンの多い作家の1人と言えるでしょう。特に、2009年に発表された『1Q84 』は発売1週間で96万部を突破!話題が話題を呼び、空前の大ヒットとなりました。この『1Q84』、実はユング心理学とも深いつながりのある作品だということをみなさんはご存知だったでしょうか?もちろん、読んだ方はご存知だと思いますが(笑)...