今なお人々を魅了してやまない心理学理論を作り上げたユング。
一体、彼はどんな人だったのでしょうか?
ユングというと、「フロイトとの決別」のエピソードが有名ですが、
彼の人生はそれ以外にも波乱万丈な出来事がたくさんありました。
ユングの生涯を追っていくことで、彼の人となりも見えてくると思います。
ユングはどんな性格だったのか、どんな女性と恋をしたのか、
どんな最期を迎えたのか…。
ユングの人物像に迫る!エントリー一覧
- ユングの生涯
- 個性的な理論を展開し、今なお語り継がれる「ユング」の心理学。その背景には、どのような生涯があったのでしょうか。カール・グフタス・ユングは、スイス北部のトゥルガウ州ケスヴィルという小さな村に、1875年7月26日に生まれました。父親はプロテスタント教会の牧師で、言語学の博士の学位を持つ人物。さらにその父親は、バーゼル大学の医学部教授で、総長を務めたことのある人物であったといいますから、かなりアカデミックな家系に育ったと言えます。しかもこの祖父は、かの有名な文豪、ゲーテの私生児だったという噂のある人...
- 父親への失望
- ユング心理学では、「男性性」と「女性性」が重要なテーマになっています。確かに、男女を問わず、私たちの中には男性的な面もあれば女性的な面もありますよね。それは、「異性に何を求めるか」ということにも関係しています。ユングがこのような心理学理論を考えるに至った背景には、自身の父親の存在があります。父親であるパウル・ユングは、プロテスタント教会の牧師で、言語学の博士の学位を持つ人物。さらに祖父は、バーゼル大学の医学部教授で、総長を務めたことのある人物であったといいますから、かなりアカデミックな家系に育っ...
- 母親が与えた影響
- 超能力や超常現象といった分野の研究にも貢献したユング。彼が、その個性的な心理学理論を唱えるに至った背景には、自身の母親の存在があります。母親であるエミリー・ユングは、プロテスタント教会の牧師の娘。とにかくミステリアスな家系に育った女性のようで、自分自身もその母も、姉妹も霊能者だったのだとか!宗教的・霊的な色彩の強い謎めいた家系だったようで、ユングも多分にこの影響を受けていたようですね。彼が超心理学やオカルトに興味を持つに至ったこともうなずけます。やはり、育った環境が子供に与える影響は大きいもので...
- ユングが見た恐ろしい夢
- スイスの豊かな自然の中で育ったユングですが、「田舎の純朴な少年」とは程遠い、鋭い感受性を持った子供だったようです。霊感が強かったという母方の家系の影響もあるのでしょうが、おそらく、両親が不仲だったことも影響していたのでしょう。幼いながらもキリスト教の教えに疑問を感じたり、ライン川の滝から流れ落ちてきた水死体に興味を示したり、墓地での埋葬やキリスト教の祈りの際の言葉に強い不安を感じたり…。普通の子供ならば何も感じないような場面で、強い好奇心や不安を感じたりすることが多かったようですね。「夢」につい...
- 運命的な結婚
- 仕事がデキる人や目立つ人、逆に、極端にダメな人、全然目立たない人…。どっちの場合でも、やっぱり「あの人って彼女(彼氏)いるのかな」「あの人って結婚してるの?」…と気になるものですよね(笑)。まあ、人の噂話をする場合には、どうしたって恋愛だの結婚だのといった話題がつきものなのですが…。ユングについても、ちょっと(かなり!?)気になりますよね。あれだけ個性的な理論の数々をぶち上げた心理学者が、一体どんな女性を選んだのか…。そもそも、彼は人生の前半から女性運は最悪だったんですから。ユングは、母親との関...
- フロイトとの関係
- ちょっとでも心理学をかじったことがある方なら、ユングと言えば「フロイトとの決別」というフレーズが浮かんでくる方も多いのではないでしょうか?どちらも、心理学の分野に偉大な功績を残した人物。知らない方はいないのではないかと思います。しかし、この2人はどのようにして出会い、そしてなぜ決別に至ったのか?詳しい経緯をご存知の方は少ないのではないでしょうか。まずは、フロイトの紹介から始めましょう。ジークムント・フロイトは、オーストリアの精神医学者。精神分析学の創始者といわれる人物です。有名な著書に『夢判断』...
- ユングが見た幻覚
- 実の父親以上に慕っていたフロイトと決別した後のユングは、自分の「いままで」と「これから」の狭間でもがき苦しみました。今までの生き方は正しかったのか?これからどんな方向性で治療行為に当たっていけば良いのか?その姿は、あたかも「衝動に任せて家出をしてきた青年」のようであったと、ユング自身が後に語っています。フロイトの理論にしばられることに強い抵抗感を覚えていたものの、「じゃあ、お前にはどんなやり方があるんだ?」「おまえの理論はどんなものなんだ」と問われれば、明確な答えは見つかっていない…。師との決別...
- 「石の塔」が意味すること
- ユングといえば、自らの手で「石の塔」を建築し、そこをまるで別荘のように使っていたというエピソードが有名ですよね。ユングにとってその石の塔は、一種の「避難場所」だったのではないかという説もあります。当時のユングは、母を亡くした悲しみにさいなまれつつも、臨床と研究に追われ、自身の中の悲しみにしっかりと向き合えない日々を送っていたようです。そんな中でユングは、自分が「より真の自己」になるための場所、1人になれる場所を求め始めます。そしてやがて、「それは自ら作るべきもの」と考えるに至り、塔の建築に着手し...
- ユングを題材にした映画
- ユングとフロイトが師弟関係にあったこと、そしてやがて、学問的志向の違いから決別していったことは心理学を勉強したことがない方にもわりと広く知られている事実です。このユング&フロイトの関係を映画化したのが、「鬼才」の呼び声も高いデビッド・クローネンバーグ監督の『危険なメソッド』。ひとりのロシア人女性患者の研究を通じて変化していくユングとフロイトの関係が如実に描かれています。【映画の基本情報】原題: A Dangerous Method製作年: 2011年製作国: イギリス・ドイツ・カナダ・スイス合作...
- ユングと創造の病
- 「天才」と呼ばれる人は、得てして病気や災難に見舞われるもの。かのベートーベンも、病で聴力を失っていますし、ドストエフスキーはてんかん持ち、ゲーテやチャイコフスキーはうつ病、ニーチェは分裂病(統合失調症)だったと言われています。さて、この“病”を心の病に限定して考えてみた場合、天才的な思想や真理を発見するセンスの持ち主(要するに“天才”ですよね)は長年の神経症的状態(=心の病気)を経験している傾向があることが指摘されています。簡単に言うと、「天才は心を病む経験をしている」ということですね。この説を...