ユング心理学の世界へようこそ

女性に対する不信感

仕事がデキる人や目立つ人、逆に、極端にダメな人、全然目立たない人…。

 

どっちの場合でも、やっぱり
「あの人って彼女(彼氏)いるのかな」「あの人って結婚してるの?」

…と気になるものですよね(笑)。
まあ、人の噂話をする場合には、

どうしたって恋愛だの結婚だのといった話題がつきものなのですが…。

 

ユングについても、ちょっと(かなり!?)気になりますよね。
あれだけ個性的な理論の数々をぶち上げた心理学者が、

一体どんな女性を選んだのか…。

 

そもそも、彼は人生の前半から女性運は最悪だったんですから。
ユングは、母親との関係の中から女性に対する「不信感」を抱いていたようで、

青年期までは女性との接点がほとんどなかったようなんです。
母親が持つ不可思議な二面性や、両親の間の確執などが、

彼が女性不信に陥った原因になっているようですね。

 

恋にうつつを抜かす輩が多いお年頃に、
「女性はあてにならない」「愛なんて信用できない」

と女性と距離をとっていたなんて、早熟というべきかかわいそうというべきか…。

運命的な出会い

しかし、運命の出会いはユングが21歳の時に訪れます。

 

母親の知り合いの家でエンマという女性に出会い、
「この人が将来結婚する相手だ」

…と確信したのだとか。
しかも、その6年後に本当に結婚してしまったんですから驚きです。

今で言うところの“ビビビッ”婚ですね(ちょっと古い? 笑) 

 

ユングと出会った当時のエンマは、なんと14歳!
まだ中学生ですよ。

大人になってからの「6歳差」はあまり気にならないかもしれませんが、
当時の彼女から見たら21歳のユングは

「おじさん」に見えていたかもしれませんよね(笑)。

 

エンマは工場主の娘であり、
経済的に恵まれた環境に育った女性であったため、

結婚後はユングもかなりその恩恵を受けたようですよ。
貧乏暮らしが長く苦労人だった彼にとっては、

経済的にも恵まれた結婚だったといえます。

 

とはいえ、ユングは、しっかり学位を取得して医者になってから
エンマさんに求婚しているんです。

そうでなければ、彼女を幸せにはできないと思っていたんでしょうね。

 

けじめはしっかりつけるという
“男気”のようなものが感じられるエピソードです。

エンマさんってどんな女性?

このエンマさん、精神的にちょっと不安定な感のある夫とは正反対で、
静かで落ち着いた女性だったのだとか。

ユングの秘書であったアニエラ・ヤッフェ女史の記録によれば
「しばしば火山のように爆発するユングの気質を見事に補う女性」

だったということです。

 

そんなエンマさんですから、結婚した当時は、
ユングの周りの人々からも大歓迎で迎えられたようですね。

 

しかもこの女性、気持ちが穏やかながら、仕事はデキる人だったんです。
家計のきりもりはもちろんのこと、

夫の研究のサポートなどもお手のもの!
後に「共同研究者」としても名を残すことになります。

 

ちなみに、ユングがフロイトを怒らせてしまった時も、
エンマさんはフロイトに寛大な対応を求める手紙を送っているんです。

そんな影ながらの努力もむなしく、2人は決別してしまうわけですが…。

 

お子さんも5人も設けているようですし、
プライベートも仕事も両方とも支えてくれるなんて、

まさに「良妻賢母のお手本」のような女性ですね。

 

いやはや、やはり、結婚のパートナー選びは慎重にいきたいものですね(笑)。

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