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神秘的な母方の家系

超能力や超常現象といった分野の研究にも貢献したユング。
彼が、その個性的な心理学理論を唱えるに至った背景には、

自身の母親の存在があります。

 

母親であるエミリー・ユングは、プロテスタント教会の牧師の娘。
とにかくミステリアスな家系に育った女性のようで、

自分自身もその母も、姉妹も霊能者だったのだとか!

 

宗教的・霊的な色彩の強い謎めいた家系だったようで、
ユングも多分にこの影響を受けていたようですね。

彼が超心理学やオカルトに興味を持つに至ったこともうなずけます。
やはり、育った環境が子供に与える影響は大きいものですね。

 

確かに、現代でも、
「沖縄のユタの血を引くスピリチュアルカウンセラー」とか

「イタコの血を引く霊媒師」とか、
先祖代々の不思議な力を受け継いで御商売されている方もいますからね…。

 

ユング自身も、母親から何かしら不思議な力を受け継いで
生まれてきたのかもしれませんよね。

彼の生涯は、最初から神秘的な色合いを帯びていたといっても
過言ではなさそうです。

母親が持つ二つの人格

霊能力を持っていたと言われるユングの母親。

 

彼が残した記述によれば、母は
「誰の話にも耳を傾ける社交家で、快活な良い母親だった」とか。

 

しかし、彼女が持つ「二面性」にはずいぶんと苦しめられたようです。
母には、「親しみやすく愉快な女性」という面と、

「不気味で得体の知れない女性」という面の二つの人格があったのだとか。
後者の人格が出てくると、強い口調で物事の核心をつく発言をすることもあり、

ユングを驚かせていたようです。

 

ある時には、「お前の父親の秘密を教えてやろう」と、
父親に関する重大な秘密を打ち明けたこともあったのだとか。

その秘密が一体どのようなことであったのかは謎のままなのですが…。

 

驚いたユングは、父親の友人に相談しようとまで思い詰めますが、
数時間経つと当の母は何事もなかったかのように

穏やかな様子に戻っていたのだとか。
この出来事をきっかけに、彼は母への信頼を失っていったといいます。

 

母とのこのような微妙な関係は、
彼の女性観を歪ませる一因にもなっており、

青年期までは恋愛に対してもなかなか積極的になれなかったようですよ。

 

両親が不仲で口論が絶えなかったことも多分に影響しているとは思いますが…。

母親に対して抱いた不信感

ユングが3歳の時、
母親が病気で数カ月入院してしまったことがあったそうです。

(病気といいつつも、実は両親の一時的な別居だった可能性が高いようですが…)

 

幼いユングは母を求めて泣き暮らし、
心因性の湿疹を発症してしまったのだとか!

おそらく、幼いながらにもなんとなく事情を察していたのでしょう。

 

この出来事がきっかけとなり、彼は
「女性は当てにならない」「愛なんて当てにならない」

という不信感を強めていきます。

 

大人になってから、女性に対して歪んだ愛情を抱いたり、
本当の意味で相手を信じられなかったりする人は、ユングのように、

幼少期の母親との関係に何らかの問題があった可能性が考えられます。

 

ハッキリとした記憶としては残っていなくても、
私たちの心には幼少期の傷がしっかりと刻まれてしまうもの。

子育てをしている方は、
「子供だからなにも分からない」なんて甘く見てはいけません!

常に、子供の目を意識した行動を心がけるようにお願いします。

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