蜘蛛は“嫉妬”の象徴!!
日常生活の中では、
「昨日、なんの夢みたっけ?」
「どんな夢だったか忘れちゃった〜」
…という程度に軽くあしらわれがちですが…。
ユングやフロイトの心理学では、
“夢”というものがその人の内面(無意識)を表すものとして
非常に重要視されます
動物も然り。
夢に動物が表れた場合、ユングやフロイトの心理学では
その動物がどんな意味を持つのか、
夢に表れたということは何を意味しているのか、
深く掘り下げていきます。
例えば蜘蛛は、 “陰湿な女性”の象徴。
心理学的には、
「縛り傷つける女性」「束縛する母親」
といった意味を持ちます。
確かに、蜘蛛の巣にひっかかるとなかなか取れませんからね(苦笑)
蜘蛛の巣にかかって暴れ回っている昆虫もよく目にしますよね。
“束縛感”を意味するのも納得できます。
ちなみに、蜘蛛が持つあの不気味な形状が
“悪魔”を象徴するとも言われ、
古くから災いや病気、怪我を暗示するものとして
忌み嫌われていたようです。
蜘蛛と「太母(グレートマザー)」
ユングの心理学に出てくる「元型」の理論の中に、
「太母(グレートマザー)」という元型イメージが出てきます。
これは文字通り「母親」を表すものですが、
蜘蛛も太母神の元型イメージの一つ。
ただし、「優しい」「温かい」「守ってくれる」といった
ステレオタイプの母親イメージとは違っています。
蜘蛛が象徴する母親は、「嫉妬深くて、こどもを束縛する母」。
ちょっと乱暴な表現を使ってしまうと、
母親の中にある「女の嫌な部分、面倒くさい部分」を象徴しているんです。
ですから、蜘蛛の夢を見た場合、ユング心理学的な解釈では、
「自らの手で運命の糸を織る」
「母親の束縛から逃れるべき時がきた」
…といった意味として捉えられるようです。
その他の解釈
ユングやフロイトの心理学以外にも、古来から、
蜘蛛は様々な意味を持つものとして特別視されてきました。
人間から見れば小さな生き物ですが…
その形状や生態に、
私たち人間が古くから畏怖を抱いていた様子が窺えますね。
例えば…
☆インディアンの伝承
蜘蛛=「知恵者」の象徴。
蜘蛛がコツコツと巣を作り上げていく過程となぞらえて
「努力が成功につながる」象徴としても例えられるようです。
☆占いの世界では
占いなどのスピリチュアルな分野での“蜘蛛”は、
「アイデア」のシンボル。
「夜明け前にクモを見かけたときは、良いアイデアがわいてくる」
というのは有名な話です。
逆に、夜に蜘蛛を見たと言うと、占い師側としては
「アイデアを見逃していませんか?チャンスを逃していませんか?」
などと聞いたりします。
一方で、蜘蛛=“現在の願望”を持て余している状況を表す
とも言われており、
「願望の仕切り直し」を促されることもあります。
☆ヨーロッパでは
鬼蜘蛛(オニグモ)の背中に十字架の模様があることに着目し、
蜘蛛=「神から祝福された生き物」=「幸運のシンボル」として
大切にされます。
一方で、キリスト教では「蜘蛛=邪悪な存在」
「罪深い衝動」の現れと解釈され、
善良なミツバチと対極にある生物として忌み嫌われています。
☆日本では
「蜘蛛の糸」にも象徴されるように、死者の魂を霊界へと運ぶ存在。
犬も、同じような意味を持つ動物として捉えられてきたようです。
☆ギリシャ神話の世界では
蜘蛛=取るに足りない巣にぶら下がる存在。
過大な自己評価による失敗・失墜を象徴するものをされています。
☆インドでは
古代インドの教典『ウパニシャド』では、
糸を伝って上昇する蜘蛛=「自由」の象徴として
記載されているようです。