ユング心理学の世界へようこそ

遊戯療法とは?

仕事に家庭に…と、肩にのしかかってくる責任に押しつぶされそうな時、
ともすれば私たちは

「子どもはいいなあ」「子どもの頃に戻りたいなあ」
…なんてつぶやいてしまいますが…。

 

よく思い出してみてください。
子どもの頃だって、悩みが全くなかったわけではありませんよね?

金銭的・物理的に自由が利かない分、
むしろ、大人よりも状況は厳しいくらいです。

 

実際、心に問題を抱えて
両親と共に専門家を訪ねる子どもも少なくありません。

 

しかし、自分の気持ちを的確な言葉で伝える能力がまだまだ未熟な
子どもたちの心を理解するには一体どうしたら良いのでしょう。

 

子どもが自分を自由に表現できる方法…
そう、“遊び”です。

遊びを媒介として行われる心理療法のことを「遊戯療法」といい、

 

@遊びによって不安や緊張を解消できる
A自分の感情コントロールや現実への対処法を学ぶことができる

 

…といった効果が期待できます。

 

みなさんも、子どもの頃のことを思い出せば、
遊戯療法の効果について納得できるのではないでしょうか?

 

例えば、ゴッコ遊びは、
日常からちょっと離れた“非現実的”な世界を楽しめますよね。

そこで自分を自由に表現できれば、
日頃のストレスを発散できるでしょう。

 

また、プラモデルを作ったり絵を描いたりといった“創造的”な遊びは、
それこそ自分の内面をバーっと表現することが可能。

その子どもが作った作品を見れば、
その子の心がどんな状態なのかを推察することができるでしょう。

ユング心理学と遊戯療法の関係

ところで、ユング心理学と遊戯療法にはどんな関係があると思いますか?

 

スタート地点から言えば、遊戯療法の創始者はウィックス女史。
ユングの影響を強く受けていたと言われることから、

彼女が生みだした遊戯療法もユング心理学と無関係とはいえません。

 

最大の共通点は、「箱庭療法」を重要視していた点でしょう。
箱庭療法とは大きさが決まっている箱の中に、

砂や石、様々なおもちゃを用いて
自分の“世界”を表現させるという心理療法。

気持ちを上手に言葉で表現できない子供たちの内面を理解するためには、
こうしたおもちゃを使った表現方法が有効だったのです。

 

実際、この箱庭療法は、川を作ったり山を作ったり、
乗り物に乗った人を登場させたり、動物を登場させたり…と、

言葉を使わずに自分の世界を表現して楽しむことができる心理療法。
言葉では自分の内面をうまく表現できない子どもにとって

最適な「自己表現ツール」といえるでしょう。

 

日本で「遊戯療法」と言った場合には、
「途中で箱庭に興味が向いたら作ってもらう」という、

箱庭療法との組み合わせた形の治療法が一般的です。

言葉以外の表現を理解するために

遊戯療法は、言葉が未熟な子どもの内的世界を理解する上で意味深い技法です。

 

しかし、遊び方や創った作品からその子どもの内面を理解するには、
豊かなイマジネーションが必要となってきます。

 

そこに表現されているものは、一体どんな意味があるのか?
その子どもは、どんな壁にぶつかっているのか?

そして、どんな風に変化しつつあるのか?

 

…これを理解する上で、ユング心理学は非常に有用な理論。
ユングは、言葉そのものを追うだけではなく、

表情や語調、間を大切にしていたからです。

 

こうしたことは、子どもを対象とした遊戯療法に限らず、
大人の心理療法にもあてはまることです。

ユング心理学と遊戯療法関連エントリー