ユング心理学の世界へようこそ

偉人・賢人から学ぶ人生のヒント

生きていくのは、誰にとっても簡単なことではありませんよね。
経済的な面で困窮し、

文字通り「生きていくのが精いっぱいだ」という人もいれば、
経済的、環境的に恵まれた生活を送っている人でも

生きることに希望を見出せずにいる人もいます。

 

本気で生きていれば、「100%楽しい!」「100%幸せ」
などということはあり得ないのかもしれません。

 

時には、「もう人生を終わりにしてしまいたい」
…と思うこともあるでしょう。

しかし、そんな時、
何気なく手にした本の中のワンフレーズに救われたり、

偉人・賢人の名言にハッとさせられたりすることがあります。

 

ユングが残した名言も然り。
人生をどう捉えれば“生きる”ことを受け入れられるのか

人との付き合いの中で生ずる自分の心の動きを
どう解釈して消化すれば良いのか。

 

月並みな言い方ですが、
ユングの名言には“生きるヒント”が凝縮しています。

ユングの名言一覧

ここでは、有名なユングの名言を、
筆者の個人的な感想を加えてお届けします。

いずれも、自分の人生、そして自分自身の“あり方”を振り返る上で
ハッとさせられる名言ばかりです。

 

「一人の人間に合った靴は他の人間にはきつくて合わない。
すべての事例に適合するような人生の処方箋はないのだ」

The shoe that fits one person pinches another;
there is no recipe for living that suits all cases.

個人的には、シンデレラのガラスの靴を思い出しました(笑)。
ユングと言えば、物語のモチーフを応用した臨床がメジャーですし…。

よく、「生きるヒントになる名言ってないですか?」
…とネットの掲示板などで質問している人がいますが、

その答えはまさにこの名言通り。
全ての人に共通して影響を与える名言なんてないのではないでしょうか。

 

 

「人生の濁流に身を投じているかぎり、障害がないという人間はいない」
Nobody, as long as he moves about among the chaotic currents

of life, is without trouble.
人生は、死ぬ直前にその一生を通して振り返ってみれば

緩急入り混じったものなのでしょう。
しかし、“今”はただ、濁流に飲まれて

ただただ流されているようにしか感じられない方も多いと思います。
どこへ行きつくかもわからない、そのスリルもまた人生の一部として

障害を楽しめるようになりたいものです。

 

 

「新しい創造というのは知性によって為されるのではなく、
内なる必要から本能が為す。

創造的な精神は愛することに取り組むものだ」
The creation of something new is not accomplished

by the intellect but by the play instinct acting
from inner necessity.

The creative mind plays with the objects it loves.
人々を「オッ?」と驚かせるような新しい物や価値観を創造する人って、

必ずしも頭が良い人、“天才”と呼ばれる人だけではありませんよね。
世の中に新しい価値をもたらすことができるかどうかは

学歴とか知性によるものばかりではなく、
日々の生活の中で自ずとわき上がってくる衝動であり、

アイデアであったりするのではないでしょうか。

 

 

「二つの人格の出会いは化学物質の接触のようなものだ。
なんらかの反応があれば両者が変形することになる」

The meeting of two personalities is like
the contact of two chemical substances:

if there is any reaction, both are transformed.
一番分かりやすい例は、恋愛ではないでしょうか?

彼氏や彼女ができて、別人のように変わる人って多いものですよね(笑)。
自分以外の誰かは、

自分の内面を映し出す“鏡”のような部分がありますから、
誰かと深く付き合おうとすると

否が応にも自分自身と向き合わざるを得ない状況に追い込まれます。
ユングもまた、臨床研究を進める過程で

自分自身と対峙していたのでしょう。

 

 

「私たちが認識できる限り、人間存在の唯一の目的は
単に生きることの暗闇に火をつけることである」

As far as we can discern, the sole purpose of human existence
is to kindle a light in the darkness of mere being.

ユング自身の、生きる苦しみと希望を伺い知ることのできる名言です。
みなさんにも実感としてお分かりかと思いますが、人生には、

自分で光を灯さなければ暗くて前へ進めないという面がありますよね。
黙っていても誰かが光を灯してくれるというのは、

人生のほんの一時期だけ。

 

 

「受け入れることなしに、何も変えることはできない。
非難は(精神を)解放するどころか、抑圧するだけなのだ」

We cannot change anything unless we accept it.
Condemnation does not liberate, it oppresses.

If one does not understand a person,
one tends to regard him as a fool.

個人的には、ユングの名言の中で一番心に刺さった言葉ですね。
「受け入れる」って、言うほど簡単なことではないですが、

何かを本当の意味で受け入れることができた瞬間って
ココロが本当に楽になりますし、

なんともいえない“解放感”を味わえます。
みなさん、自分で自分をがんじがらめにしていませんか?

受け入れるって、ハードルは高いですが、
超えてしまえばすごくラクな境地ですよ(笑)

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