ユング・タロットとは?
説話社 マギー・ハイド、鏡リュウジ(著) 2,940円
ユングと言えば、占いを始めとするいわゆる
“スピリチュアル”な分野にも
強い関心を持っていたことが知られていますよね。
これを受けて、占いの世界でも
「ユング」というワードの出現率は高いんです(笑)。
大学で専門的にユング心理学を専攻している方からは
「あんなのはユングの思想ではない!」
「そんなものにユング先生の理論をごちゃまぜにするな!」
…という厳しいお叱りの声が聞こえてきそうですが…。
例えば、携帯サイトでは「ユング・タロット」という占いが大人気!
これは、若い女性に絶大な支持を得ている占い師の鏡リュウジ氏と、
英国占星術会の権威、マギー・ハイド氏が共同で作った
オリジナルのタロットカードを使ったタロット占い。
ユングが説いた「アーキタイプ(元型)」を22枚のカードに落とし込み、
そのカードをひくことによって、
「今、その人の中で、あるいはその人の周辺で
どんな元型的なイメージが無意識的に働いているか」
を見ていくというものです。
ざっくりと言うと、引いたカードにその人の無意識が表れる。
要は、このタロットカードをツールとして、
無意識を意識化していこうという占いなわけです。
このユング・タロットカードセットは、
各カードの意味、占い方、読み方などの解説書つき。
リーディングの流れや解釈法についても1枚ずつ丁寧に解説されています。
ちなみに、このユング・タロットカードの図柄を描いているのは
切り絵作家として活躍中のナカニシカオリさん。
ユーモアあふれる独特のタッチで、
不思議な世界へといざなってくれます!
そもそもタロット占いって?
ユング・タロット云々の前に、
「そもそもタロット占いってどんなもの?」
という疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
タロット占いとは、22枚ある「大アルカナ」と、
56枚ある「小アルカナ」、全78枚のカードを使った占いの一種。
「スプレッド」と呼ばれる配置にカードを並べ、
出てきたカードで質問者の知りたいことを占うというものです。
一見、単なる「偶然」で出てきたように思われるカードには、
質問者に対してなんらかのメッセージが込められているという
考え方に基づいており、
しばしばユング心理学の「共時性」にも例えられます。
ちなみに、一言で「タロットカード」と言っても
様々な種類があります。
王道なのは、ウェイト=スミス・パックとマルセイユ・タロット。
他にも、ユング・タロットのように、オリジナルのカードも
多数出回っています。
解釈も、占い師や本によって違っていたりします。
※ウェイト=スミス・パックは1909年にイギリスで出版。
マルセイユ・タロットは、
17世紀半ば〜18世紀にフランスで作られたものです。
両者を比較してみると、
一部のタイトルやカードの順番に違いがありますが
全体として“テーマ”は共通する部分が多いですね。
実際に占ってみた感想は…
さて、このユング・タロット。
王道のタロットカードとは絵柄も解釈も異なり、
“心理学的”な要素が強いようですが。
実際に占ってもらった(パソコン上ですが)感想は…といえば、
世の中に流布しているいわゆる“占い”と呼ばれるものの中では、
“心”、人の“内面”に焦点を当てているという印象です。
例えば、恋愛関係なら、
「相手が自分をどう思っているか」とか「相手の本音」とか。
また、自分でも気付いていなかった自分の内面の“クセ”を指摘されて
「まあ、言われてみればそうかもなあ〜」と感じたり…。
表面に表れていない、
それこそ“無意識”の部分を色々と言い当てられ、
正直、ちょっとドキッとしましたね(笑)。
絵柄も、人間の「心理」の複雑さをよく表していると思います。
他の占いに比べると、「物事がどうなっていくか」ということよりは
“内面”を分析することに重きを置いているような印象。
しかも、結構当たっているので(笑)、
「意識を変えていかなくちゃな」と、素直に思える内容でした。